薬物負荷CT検査(CTP)について

2012年11月より、冠動脈撮影(CTA)に加えて、薬物負荷CT検査を本格的に当院で施行できるようになりました。

これまで研究レベルで進められてきた心筋のパフュージョン評価(CT Perfusion : CTP)は、マイクロスフェアーを使った動物実験でCTでの評価が可能であると報告され、さらに、ヒトを対象とした報告もシングルスタディーが報告されています。結果は、QCAとCTPの比較では、Sensitivity 88% and specificity 79% 、SPECTとCTPの比較ではSensitivity 69% and specificity 71% ( p = NS)で、SPECTとほぼ同じと報告されています。

これまで、CTでの形態評価と機能評価のアプローチ法は、CT画像にSPECT画像を癒合するFusion Imagingの手法が行われていましたが、この方法は、結果を得るために患者さんは、少なくともCTとSPECTの2つの検査を受ける必要があり、被ばく量も多くなり、費用も割高でありました。

このためCT自体での評価が長く期待されていました。 最近、当院でも導入している被ばく低減技術が進歩し、複数撮影や、低電圧撮影、造影剤量の減量が可能となり、CT検査のみで形態評価と機能評価が同時に行えるようになりました。当院でも心臓・血管センターと放射線科のプロジェクトスタッフで1年間のプロトコール改良や解析方法の開発を経てこの薬物負荷CT検査を行うこととなりました。これまでの冠動脈検査時に50%~75%程度の中等度病変や石灰化で評価の難しい冠動脈の患者さまが見つかった場合は、その後の治療方針決定のため、CTA画像をご覧いただき、ご同意を得てから、薬物負荷CT検査を行い虚血判定を行います。

CTPの基本的な撮影は、安静時と負荷時に行います。そして冠動脈のテリトリー内に虚血を生じているかどうかを判定します。領域がわかりやすいようにCTAの冠動脈ツリーと組み合わせて判定します。

評価法は、負荷時の造影欠損領域が安静時に改善を認めれば、虚血と判定します。また、費用に関しては、通常のCTA検査費用に加え、使用する薬品の値段(窓口負担で、数百円から2千円程度)がかかります。

当院は、患者さまの利便性の向上、ならびに主治医の先生方へのクオリティーの高い心臓画像診断情報の提供ができるよう、さらに努力してまいります。

虚血の判定方法

虚血の判定方法

(1)代表的な虚血例
冠動脈CTA
冠動脈CTA
負荷CTP
負荷CTP
選択的冠動脈造影(CAG)と冠動脈形成術直後の造影
選択的冠動脈造影(CAG)と冠動脈形成術直後の造影

(2)石灰化が散在し狭窄病変の判定が難しい症例
冠動脈CTA
冠動脈CTA
負荷CTP
負荷CTP
選択的冠動脈造影(CAG)と冠動脈形成術直後の造影
選択的冠動脈造影(CAG)と冠動脈形成術直後の造影

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